*雨の季節のSoulmusic 〜 Soul for Rainy Days

 桜も藤も丸1ケ月前倒しで見頃を終えてしまったと思ったら、やはり、雨の季節の到来を告げるこの花も既に満開に。私としては、緑薫る大好きな季節を実感できた日々があっけなく終わってしまい、正直、幼少期から大の苦手な梅雨の早期到来に気落ちしているところですが、思えばNHK FMの番組を始めて以来の20年は、この時季の憂鬱を余り感じることなく乗り越えてくることができていました。そもそも、あらゆる場面で大好きなSoulmusicに救われ続けてきた人生ではありますが、季節の憂鬱という、なんともモヤっとした、この憂鬱を長らく克服できてきたのは、番組で毎年のようにOn Airを重ねてきたシーズン企画の特集“Soul For Rainy Days”のお蔭に他なりません。

 もちろんSoulという音楽に限らず、雨は、あらゆる芸術作品において演出、表現の効果的な手段として多々使われている訳ですが、それにしても、soulmusicに於ける雨が綴られているナンバーは、驚くほどの数に登ります。分かり易くタイトルからして”Rain”が記されているものだけでも、かなりの曲数がありますが、歌詞レベルでとなると、もう本当に枚挙に暇がありません。しかも、Classic Soulはもとより、今に至るまで新たな名曲も生まれ続けているので、毎回、特集にあたっては、限られた時間内でのOA曲を絞り込むことこそが何より悩ましく、その悩みが年を重ねるに連れて大きくなっていったというのが正直なところ。このことからも、その曲数をお察し頂けるかと思いますが、実に、この長年重ねてきた悩み深き選曲の作業が、免疫系の持病持ちでコロナ禍を生き延びることに必死な今に於いては、意外にも大きな喜びを私に齎してくれて居て、まさに目下は、番組の為に作り上げたPC内の選曲リストから、今の自分に響く雨の季節の為のナンバーを更に絞り込んでの選曲を楽しんでいるところです。言ってみれば、自分なりの雨の日ソウルのcream of the cropのようなリストを作成中なのですが、それは、まるで、ラジオの仕事を始める以前の30年以上も前、自分にとって音楽が、純然たる趣味でしかなかった当時に、ダブルカセットデッキを使ってお気に入りのナンバーをテーマ別に選りすぐってはオリジナルのテープを作っていた、その作業の悦びを思い出させてくれています。但し、これをラジオでお届けすることが叶わないという現状にこそ、また新たに大きなストレスを感じてしまっているというのが唯一にして大いなる難点ではあるのですが…(苦笑)

ちなみに私が今、このcream of the cropを選んでいるsourceはといえば、番組制作をPCで行うようになった2010年以降の10年分のリストからで、残念ながら99年からのアナログ制作時代の10年間分は、リストアップされては居ないのですが、PC内の10年分のリストだけで、ざっと数えただけで計100曲オーヴァー。いやはや、思っていた以上に有りました。折しも、ソウルという枠を超えたポピュラーミュージックに於ける雨と言えばの名曲中の名曲、「雨に唄えば」の世界的ヒットで知られるB.J. Thomas(実は彼もゴスペル畑のシンガー)の訃報も伝えられましたこの折に、ソウルファンの皆さんには、是非とも雨のsoulmusic、それぞれのお気に入りのsoul for rainy daysにでも想いを馳せてみて頂ければと思います。

そもそも私が番組で雨の日ソウルの特集を組もうと思ったキッカケはといえば、Classic Soulの雨の名曲たち。ここでUpした2曲の他に、Ann Peeblesの「I Can’t Stand The Rain」、Brook Bentonの「Rainy Night In Georgia」、The Temptationsの「I Wish It Would Rain」などがあります。また、もう少し新しいところーとはいえ、これらも既にClassicというところでは、Princeの「Purple Rain」、SWVの「Rain」辺りでしょうか。なお、Love Unlimited Orchestraの「Walking In The Rain With The One I Love」については、まるで映画仕立ての素敵なプロモVideo Clipを観た記憶が確かにあるのですが、youtubeには、どうしても、それを見つけることができず。代わりに世界の色々な方々が、この曲に合わせて自作したと思しき映像作品が幾つかupされていて、やはり、コレ、映像を付けたくなるナンバーなんだなぁとつくづくでした。